こんな経験ありませんか?
「シンプルで洗練された感じで」「もう少し華やかに」「やっぱり落ち着いた感じで」...クライアントからの抽象的な指示に、どれだけの時間を費やしたことでしょう。
私も大手IT企業で働いていた頃、「使いやすいシステムを」という依頼で開発を進めたら、提出後に「イメージが全然違う」と言われた苦い経験があります。そのとき気づいたのは、問題は技術力でも提案力でもなく、「確認のタイミング」だったということです。
今日は副業デザイナーの田辺さんからいただいた相談をもとに、クライアントの真意を最初に掴む方法をお伝えします。
なぜ「完璧な提案」ほど修正が多くなるのか

田辺さんは5回も修正を重ねた経験を振り返って、こう話してくれました。
「完成品で勝負したかったんです。でもクライアントさんのイメージと全然違って...」
実は、これが多くの人がハマる落とし穴なんです。
クライアントが求めているのは「完璧な成果物」ではなく「自分のイメージが反映されている安心感」。どんなに素晴らしいデザインでも、クライアントの頭の中にある「何となくのイメージ」とずれていれば、修正は避けられません。
評価の公式「評価 = 成果 × 安心感」で考えると、成果が100点でも安心感が20点なら、総合評価は低くなってしまうのです。
抽象的な表現を具体化する「3方向提示法」
「シンプルで洗練された」という依頼を受けたとき、あなたならどう対応しますか?
私が7年間で継続率100%を維持できているのは、この方法を使っているからです:
【3方向提示法のステップ】
- 抽象的なキーワードを3つの方向性に分解
- それぞれ20%程度のラフ案を作成
- 48時間以内にクライアントに確認を取る
例えば「シンプルで洗練された」なら:
- A案:ミニマルで余白重視(Apple風)
- B案:エレガントで上品(高級ブランド風)
- C案:クリーンで機能的(Google風)
完成度は低くても構いません。方向性さえ合えば、あとは安心してクオリティを上げていけば良いからです。
修正ゼロを実現する「中間確認システム」
田辺さんのケースで考えてみましょう。もし最初の段階で3つの方向性を提示していたら、どうなっていたでしょうか?
おそらくクライアントは「B案が近いけど、もう少しA案の要素も欲しい」といった具体的な反応を示してくれたはずです。
私が実践している中間確認のタイミング:
- 初回ヒアリング後48時間以内:方向性確認
- 作業開始から3日後:進捗報告
- 60%完成時点:必ず中間チェック
この方法で、最終的な修正回数を平均80%削減できています。
「不安解消テンプレート」で信頼関係を構築
抽象的な依頼を受けたとき、私はこんなメールを送ります:
田辺様
ご依頼いただいた件について確認させてください。
「シンプルで洗練された感じ」について、以下の方向性で進めさせていただく予定です:
■ 色味の方向性
・モノトーンベース ・ナチュラルカラー ・アクセントカラー有
どちらがお好みでしょうか?
■ 参考イメージ
添付の3案(A/B/C)のうち、どの方向性が近いでしょうか?
2日後の○日に中間案をお見せしますので、その際にご意見をいただければ幸いです。
何かご不明な点がございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
このメールのポイントは、「私はあなたの要望を理解しようと努力している」というメッセージを伝えること。クライアントは安心感を得られ、より具体的な要望を教えてくれるようになります。
まとめ:プロセス重視で評価は必ず上がる
田辺さんのような経験は、決してスキル不足が原因ではありません。「見せるタイミング」と「確認の仕方」を変えるだけで、劇的に改善できます。
重要なのは以下の3点です:
- 完璧な成果より、早めの方向性確認
- 抽象的な表現は必ず具体化して確認
- 60%の段階で必ず中間チェックを挟む
この方法を実践すれば、修正回数が減るだけでなく、クライアントから「安心してお任せできる人」として信頼されるようになります。
AI時代だからこそ、技術的なスキル以上に「相手の不安を解消するコミュニケーション力」が評価を分ける要因になっているのです。
田辺さんのようなお悩みを持つ方へ
今回お伝えした内容は、私が7年間のPM経験で培った実践的なノウハウの一部です。より詳しい「評価される報連相の技術」については、著書『AI時代に評価される人の報連相術』で体系的に解説しています。継続率100%の秘訣を、ぜひご活用ください。